事業所紹介

佐伯商工会事業所紹介

満月農園

満月農園
農業は、「大地の彫刻」。私たちのこだわりや価値観をストーリーにして、お客様に感動を与えたい。
■どんな会社ですか?

新潟生まれ。関東からIターン13年目。作付け面積0.15haを3.0haへ

代表である私が2008年に妻の故郷である廿日市市にIターンして、満月農園を開業しました。開業までに埼玉県で有機農業の研修を受け、農業について学んできました。
廿日市市は、広島市の西隣にあり、都市近郊という利点を活かし、ナス・ほうれん草・小松菜・苺などの生産が盛んな地域です。当園の生産拠点は、そんな廿日市市の山間部の浅原地区にあり、3.0ヘクタール(約9,000坪)の農地で露地野菜を生産し、販売を行っています。 就農当初は、水稲と野菜60品目ほどを栽培していましたが、2014年から人参とジャガイモを主に栽培しています。特徴としては、施設や機械設備への投資を積極的に行い、常に技術の習得に取り組んでいます。また、当園で採れたジャガイモを工場で加工してもらい、ポテトチップス(商品名「満月チップス」)として販売も行っています。そして、生産販売とは別に地元の小学校の授業の中で、農業体験を当園の畑で行っています。




■代表はどんな人?

「鑿(のみ)」から「鍬(くわ)」へ。夢は「彫刻家」から「農家」へ。

私は小さい頃から図工や技術・家庭科が好きでした。高校の普通科を卒業後、「なんでも作れるようになりたい」と思い、粘土や木、石・金属・プラスチックといった様々な素材を扱う彫刻の学校に入学しました。在学中に家庭を持ち、建築関係の仕事をしながら制作活動をしていましたが、24歳のころに農業の道を志しました。農業をするにあたって、彫刻の学校や制作活動での経験がとても役に立っていると思います。例えば、彫刻は木や石といった素材のことを理解しても、道具を使う技術が無ければ思った形や雰囲気のものを作ることはできません。また、自分のなりたい作家像や作りたい作品のイメージを考え形にしていく中で、簡単には納得のいく形が出来ないからこそ、何度も作り、そして何度も作り直しをします。そうすることで、少しずつ理想に近づけていくんです。農業も同じで、生き物や自然を理解し、目的・目標を持ち課題・問題を見つけ、繰り返し作り続ける必要があります。 「彫刻から農業」への変身は、何かを作るということ以外は、私にとって畑違いでしたが、今となっては、“石”が「大地」に替わり、“鑿(のみ)”が「鍬(くわ)」に替わり、“食べられないもの”が「食べられるもの」に替わっただけなんです。




■扱っている商品、そしてズバリ、その魅力とは?

こだわりの発酵肥料を使った無農薬の人参とジャガイモ。

元々、子供のアトピーがきっかけで農家になろうと思ったんです。そこで、研修先に選んだのが、有機無農薬栽培の農家さんでした。研修先で教わったのが、発酵有機肥料の作り方で今でもこだわって作り、使っています。市販されている発酵肥料もありますが、肥料を変えると土も変わりますし、もちろん味や見た目、品質も変わります。お客様にもっと美味しい人参、もっと美味しいジャガイモ、もっと美味しいポテトチップスを届けられるように毎年試行錯誤をしながら作っています。ぜひ、一度食べてみてください。




■将来の展望を教えてください!

異常気象に技術で対抗。過信せず常に農業1年生。

展望とは少し違いますが、土作り・栽培技術の向上を図っていきます。就農13年目(令和3年現在)になりますが、自然が相手の仕事なので本当に毎年1年生だと思っています。同じ野菜を作り続けると害虫や障害が出やすくなります。また、年によって大雨や猛暑・暖冬といった異常気象にも対応していかなくてはなりません。営農を続けていくためには、これまで以上に適切な技術が大事になります。そして、お客様に当園のこだわりや思いを伝えながら、感動していただける野菜を作り続けていきたいです。





  • DATA

    事業所名
    満月農園
    業種
    農作物生産・加工・卸・小売
    代表者
    遠藤 章人
    住所
    〒738-0222
    廿日市市津田581-1
    TEL
    0829-72-2056
    HP
    https://www.farm-mangetsu.com/

取材者の視点

独自の価値観で農業を捉え、農産物=芸術品でお客様にインパクトを残すオンリーワン

「大地の彫刻家」という言葉に目から鱗が落ちた。なるほど、そういう大地の捉え方があるのかと感じたと同時に、この言葉が代表の価値観・感性なのだと理解することができた。「農業はデザイン」。代表は大地をキャンパスにして、農産物を芸術品であると捉えている。この代表の感性が満ち溢れた農園が、この満月農園であると思う。ともすれば、「農業」は一括りに語られがちであるが、代表のこういった確固たる価値観で、自分なりの農業を追い求める姿はまさにオンリーワン。満月農園の価値観は、ストーリーを生み、お客様に支持されていくだろうと思うし、すでに支持されつつある。農業人の誇りは、今後も社会に根を張り、面白い、新しい農業を作り上げていくだろう。どのような農作物=芸術品を生み出すか、非常に楽しみである。そして、お客様に感動とインパクトをぜひ与えてほしいと強く思わされた。ぜひ、今も将来も注目してほしい農園である。

伴走型小規模事業者支援事業


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